#TOG #ヒューバート #現代パラレル
父が今日から出張なんだ、と言っていたのは昨日の話で、それなら連絡するから必ず出るようにと返したのも昨日だった。確かに今日は休日だけど、だからといって午前9時になるまで寝ていていいわけではない。情けない、と最初に電話をした時には思っていた。
それが、午後4時となると話も変わる。図書館で自主学習を始めた午前10時、昼食に出た午後1時、図書館を出る直前の午後3時45分、いずれも連絡をとろうとしたものの、つながらない。返事もない。帰路につくところを変更して、彼女の家の方へ向かっても不思議ではないはずだ。さすがに寝ているわけではないだろうし、寝ていたとしたら体調が心配だ。
行き慣れた彼女の家の前で立ち尽くす。今まさに門を閉めようとしている彼女が視界に入ったからだ。慌てて携帯を取り出し、彼女にかける。が、持っているバッグをまさぐるでもなく、屋敷の方へ歩いていく。
「メグ!!」
呼び出し中のコールを聞きながら、叫んだ。その声で彼女が振り返る。こちらに気づいて慌てて門から飛び出してきた。
「何やってるの、ヒュー君?」
「連絡、していたんですが」
耳に当てていたままの携帯を人差し指でトントンと叩いて示す。メグは、ああ、と納得した後、さも何も問題がなかったように答える。
「今日、携帯忘れて出かけちゃって」
片手で通話を切り、携帯を乱暴にポケットに押し込む。気持ち早足でメグの元へ寄り、彼女を見下ろす。多分、表情で伝わっただろう。多少バツが悪そうな顔になったが、まだ反省は足りない。今日一日、どれだけ心配したと思っているのだろうか。色々な不満を込めて、彼女のおでこを指で弾いた。いたっ、と短い悲鳴を上げてうずくまるメグを見て、それでも溜飲は下がらない。
まあ、父親と二人暮らしというわけではないのだから、過剰に心配する必要はなかったというのに気づいたのは、その日の夜帰宅して風呂に入った頃だった。
父が今日から出張なんだ、と言っていたのは昨日の話で、それなら連絡するから必ず出るようにと返したのも昨日だった。確かに今日は休日だけど、だからといって午前9時になるまで寝ていていいわけではない。情けない、と最初に電話をした時には思っていた。
それが、午後4時となると話も変わる。図書館で自主学習を始めた午前10時、昼食に出た午後1時、図書館を出る直前の午後3時45分、いずれも連絡をとろうとしたものの、つながらない。返事もない。帰路につくところを変更して、彼女の家の方へ向かっても不思議ではないはずだ。さすがに寝ているわけではないだろうし、寝ていたとしたら体調が心配だ。
行き慣れた彼女の家の前で立ち尽くす。今まさに門を閉めようとしている彼女が視界に入ったからだ。慌てて携帯を取り出し、彼女にかける。が、持っているバッグをまさぐるでもなく、屋敷の方へ歩いていく。
「メグ!!」
呼び出し中のコールを聞きながら、叫んだ。その声で彼女が振り返る。こちらに気づいて慌てて門から飛び出してきた。
「何やってるの、ヒュー君?」
「連絡、していたんですが」
耳に当てていたままの携帯を人差し指でトントンと叩いて示す。メグは、ああ、と納得した後、さも何も問題がなかったように答える。
「今日、携帯忘れて出かけちゃって」
片手で通話を切り、携帯を乱暴にポケットに押し込む。気持ち早足でメグの元へ寄り、彼女を見下ろす。多分、表情で伝わっただろう。多少バツが悪そうな顔になったが、まだ反省は足りない。今日一日、どれだけ心配したと思っているのだろうか。色々な不満を込めて、彼女のおでこを指で弾いた。いたっ、と短い悲鳴を上げてうずくまるメグを見て、それでも溜飲は下がらない。
まあ、父親と二人暮らしというわけではないのだから、過剰に心配する必要はなかったというのに気づいたのは、その日の夜帰宅して風呂に入った頃だった。